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2010年 03月 16日
必冊!赤坂 その九(上)今日はまず本題に入る前にこの本を紹介したい。 ![]() 文春文庫 三月発売の最新刊です ひよこブログでも何回か登場している「ホッピー」。 四月には正式に新社長になるミーナさんの奮闘記だそうだ。 すでに「必冊」でも一回取り上げているが、近々読んで、再度取り上げてみたい。 さて、本題へ。 「七月二十四日夜六時半。 文隆は永田町の自宅を出て、徒歩で溜池方面に向かった。朝から暑い一日だったが、さすがにこの時間になると、いくらかしのぎやすくなる。プリンストンのロゴが入った白いポロシャツに、黄色のゴルフズボンというくだけたいでたちで日枝神社の脇を通り、山王下に出る。およそ、一年半前、二・ニ六事件の折に反乱軍を指揮した将校たちが集結した料亭『幸楽』は、不気味なほど静まりかえって黄昏の薄明かりの中に沈んでいる。 尾崎との会食の場所は、虎ノ門交差点近くにそびえる満鉄ビル七階のレストラン『あじあ』と決めてあった。」 ![]() 「夢顔さんによろしく 最後の貴公子・近衛文隆の生涯」 西木正明著 集英社文庫 内閣総理大臣を歴任した近衛文麿の長男、近衛文隆の数奇な運命を物語るドキュメンタリー・ノヴェル。 約900ページ強におよぶ長編である。 前半の近衛文隆が若かりし頃の物語は、和製版インディ・ジョーンズ並の活躍ぶり。 そして、後半、大戦も半ば過ぎ、時代の荒波が彼に襲い掛かる。 彼は終戦直後に、満洲でソ連に捕虜として連行され収監され、 彼の地で抑留生活を送ることになる。 そのソ連の収容所から日本の家族に送られてくる手紙の終わりに、 「夢顔さんによろしく」との不思議なメッセージが・・・・・。 受け取った日本の家族、知人誰もが首をかしげる「夢顔さん」。 彼は一体誰なのか。そして、「よろしく」とは何を意味するのか・・・。 彼が歩いたところは厳密にいえば赤坂でなく永田町なのだが、少し甘く見ていただきたい。 記述の年は1937年、昭和12年。 文麿は1915年の生まれで、当時は二十二歳。 十七歳の時に渡米。 36年には米国で開催された太平洋問題調査会に日本から派遣された代表団のサポートとして随行している。37年に米国より帰国した。 文中の尾崎とは、朝日新聞記者の尾崎秀美。 これだけでピンと来た人はかなりの歴市通。 文麿は先の米国で行われた会議中に、記者として渡米してきた尾崎と親交を深めていた。 その尾崎との日本での再開がレストラン『あじあ』であった。 寄寓にもその場にドクター・ゾルゲも食事を取っていた。 ゾルゲ事件で有名なゾルゲである。 表の顔はドイツの新聞特派員。 しかし、彼はソ連のスパイであった。 後に、ゾルゲ、尾崎、共に警察に連行され、秘密裏に処刑される。 そして、このゾルゲ事件がこの著書の大切な伏線となっている。 もうすこし、書き加えたいことがあるので、それは後日の次回(下)で。
by akasaka_hiyoko
| 2010-03-16 23:12
| 赤坂番外編
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赤坂で活動し、街を愛するメンバーが綴る日記。赤坂の老舗若旦那や、さまざまな業種の人たちが語る赤坂をお楽しみください!
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