赤坂ひよこ日記

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2009年 08月 05日 ( 1 )

必冊!赤坂 その四

「昼間薫は別名マルチェラという。『赤坂の姫』とも呼ばれている。」(中略)
「赤坂三丁目の繁華街、一ツ木通りとみすじ通りの間には、櫛の歯のような裏道が多数通っている。その裏道の一つに見台を出して商売を始めたのが三年前だった。赤坂見附駅にほど近いその場所は、みすじ通りの小料理屋『なかもと』の私道だった。」
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「神様がくれた指」 佐藤多佳子著 新潮文庫

「一瞬の風になれ」(未読)で2007年度の本屋大賞を受賞した佐藤多佳子の著作。
同じ2007年には「しゃべれども しゃべれども」(平山秀幸監督 国分太一主演)が映画化、公開され彼女の知名度はかなり上がった。「神様がくれた指」はその「しゃべれども しゃべれども」の二つ後の作品で2000年に刊行された。

昼間薫はこの話では助演。
職業はタロット占い師で、体が小さいことと、声が高くて中性的なことから(上の表紙のように)女装占い師として赤坂に見台を置いている。
そして、彼は赤坂の住人だ。
彼は赤坂の繁華街から少しはずれた「三沢医院」の別棟に居を設けている。

話の主人公は辻牧夫。
物語は電車専門のスリである彼が服役を終えて出所してくるところから始まる。
そしてその出所した後、帰りの電車の中で、高校生のスリグループと遭遇、絡んだもののその一員に投げ飛ばされて利き腕に怪我を負い、街中で倒れこんでしまう。
倒れこんでいる辻のその場に偶然通りかかったのが昼間薫。
昼間が辻を助けたことから話は転がっていく。

気を失って倒れた辻は、昼間が住む家の大家で、整体師でもある三沢先生の治療を受けたあと、再び帰路につく。

「うどん屋のわきを左に折れて、車両の多い細い道をだらだらと下ると、煉瓦タイルで舗装された商店街に出る。一ツ木通りだ。右へ行くと赤坂駅。左へ行くと赤坂見附駅。」

600ページを超える長編ながら、登場する人物の設定の巧みさ、話の展開、テンポの良さがあってスイスイと読んでいける。
今まで紹介した本の中では一番楽しいかも。
「一瞬の風になれ」も先月文庫になったばかり。三部物で長いが読んでみようと思う。

来週は赤坂のあの坂が舞台のよく知られているお話。
その坂が赤坂にあることはあまり知られていないかもしれないけれど。

では、また来週。
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by akasaka_hiyoko | 2009-08-05 00:11 | 赤坂番外編